工務店設計キリマンジャロのいろいろ記録

建築に関することや、建築士試験の体験談をぼちぼち記録

【令和4年受験】1級建築士製図試験やらかしても受かった話 試験当日の体験談

こんにちは!

 

今日は一級建築士の製図試験当日にやらかした話とギリギリで回避した話、やらかしていたけど合格できた話を書いていきたいと思います。

体験談として気を付けた方がいいことやマインド、それでも受かるんだということを参考にしてもらえるかなと思います!

私は令和4年に製図試験に初受験で無事合格、一級建築士の免許をもらうことができました。

 

ぶっちゃけ合格発表を見るまでは、あれもあれもやらかしたしやっぱり厳しいかな…と思っていました。

しかし、自分の受験番号が載っていてびっくりしました😭

まぁ今となっては自分が思っている以上に他の受験生もやらかしていて、自分はまだマシな方でギリギリ受かったのかなと思っています。

 

令和4年の課題は「事務所ビル」

今年受験する方であれば問題文を見たことがあると思いますが、例年のごとくサプライズのような出題もいくつかありました。

私が驚いたところで言うと

・階数、延床面積の指定が無い

・延床面積の指定はないが貸事務室面積の指定あり

・支持地盤がかなり深く、杭基礎などの選択が必要

・最上階にシェアオフィスの要求

が大きな点だったと思います。

 

階数や床面積の指定が無いこと、最上階にシェアオフィスの要求があることに関してはビビりはしましたが、冷静に考えればなんてことない問題です。

 

大きな落とし穴となったのは事務室面積の指定と杭基礎でした!

 

貸事務室面積の指定はぜひ実際の問題文を見てほしいのですが(いや、絶対見てください)

指定床面積の欄に「基準階の合計3000㎡以上」と書かれています。

しかし書かれているのは貸事務室A、Bの欄。

これは貸事務室の部屋面積の合計が3000㎡以上でないとNGです。

これを基準階の床面積合計で3000㎡以上であればよいと勘違いをしてはねられた方がたくさんいたようです😱

 

試験当日の話ですが

私も最初、基準階の床面積の合計を3000㎡以上にしたらいいんだと思い、エスキスを進めていきました。

何も疑うことなく、計画の要点をだいたい書き、1/400を書き終え、回答用紙に柱を書き壁を書き、断面図もそのまま書いてしまいました。

この時点で残り2時間ほどだったと思います。

 

時間に余裕を持って部屋名などを書こうと思った時に、面積表を記載するのを忘れていたことを思い出し(学校では作図する最初に書くように言われていたのに…泣)面積表を書こうとしました。

その時にハッとしました。

回答用紙に貸事務室A+Bの延床面積を書く欄があったのです。

 

採点者がこの欄を見た瞬間、一発アウトにされるやつだ…と思いました。

私が書いていたプランでは基準階の床面積が3000㎡以上の図面だったため、貸事務室自体の床面積は2500㎡ほどでした。

 

その時は死ぬほど焦りました。笑

軽くパニックになりそうになりながら一旦落ち着こうと思い、トイレに行き(パニックになりそうな時は絶対トイレに立った方がいいです!少し冷静になれます)

「どうしよう…今、書き直したら図面は黒くなるし時間も無くなる…」

「今の基準階で3000㎡以上であっている可能性も少しはあるんじゃないか…」

「もう今年はあきらめるべきか…」

などとぐるぐる考えました。

5分くらいトイレやその前の廊下で考えていましたが、

やはり少しでも有利だと思う方を選択しようと思い、貸事務室の床面積を3000㎡以上にするために図面を直そうと思いました。

 

しかしここで問題なのが各階1グリットを貸事務室にしたくらいでは面積が足りないということ。

もう、スパン割りを変えるか階数を増やすしか方法はありませんでした。

 

そこで悩んだ末、基準階の階数を1階増やすことにしました。

階数を増やすと北側からの道路斜線にかかってしまうため、建物位置をずらさなければならず、しかしもう1から書き直している時間もない。

苦肉の策で回答用紙の敷地をずらしました。

 

もともとの敷地に✖を書き、ずらした敷地を太い線で書きました。断面図も同様。

この時、自分の作図が早かったことにとても助けられました!最後の15分くらいで〇特を書いたり図面に要点を書いたりして仕上げました。(チェックは5分くらいしかできてないかも;;)

 

そんな感じで試験は終わりました。本当に大変だった~

 

後日、書いた図面に対して学校の先生が講評してくれる会(なんて名前でしたかね😅)

で面談をするのですが、その時にはじめて杭基礎にしなければならなかったということを知りました。

私はお恥ずかしながらなんの疑問もなく、30mほど地盤改良をしていましたw

杭基礎にしなければいけないような問題は初出題で、べた基礎+地盤改良しか練習してこなかったので思いつきもしませんでした。

 

他にも記載事項にある駐輪場の台数を書いていなかったり、計画の要点でパッシブ技術のところにアクティブ技術の内容を書いていたりしました。

学校からは杭基礎は初出題のため減点はなし。ギリギリ合格ラインに入るかもと言われましたが、私は数々のやらかしに完全にだめだろうな…という気持ちでした。

 

そんな感じでギリギリの回避とそれでも数々のやらかしをしていた私でしたが、

無事合格することができました。

なぜ合格できたのかはわかりませんが、受験生の方に伝えたいことは

 

初出題で自分がわからないことはみんなもできてないこと。

迷ったら少しでも有利になる方を選択すること。(安牌を取る)

迷った時、行き詰った時はトイレに立って気分転換すること。

試験中に何があっても諦めないこと。

です。

なんだかすごく精神力を試された試験だったなと思っています。

自分がわからないことはみんなもわからないと思えるくらい今、頑張ってください。

応援しています!